お客様の話

足し引きが絶妙な理想的な家。

庭でゆっくりしていると「素敵な家ですね」とよく声をかけられるという。通りからも窓越しに見えるダイニングにあるブナコのペンダントライトが印象的だ。玄関からリビングへ入ると、まずに目に入るのが淡い色彩の絵画。「リビングに入ってすぐに目に入るのがテレビではなく、アートにしたかった。最初はもう少しインパクトがある絵にしていたけれど、落ち着いたトーンのものに変えたんだ」とご主人。リビング横にある和室に目を向けると、窓の外にはちょうど沙羅双樹の花が咲き、それもまた一つの絵のようだ。
Tさん夫妻はもともと関東に住んでおり、ご主人の定年退職を機に地元・静岡に戻ってきた。子どもたちはすでに独立。長く賃貸暮らしだっただけに、ようやく持てるマイホームづくりには積年の思いが込められている。
「家を建てるにあたり、本は30冊くらい、YouTubeもたくさん観て勉強したよ。あと、星野リゾートに行ったときに、こんな家がいいなと思った。生活の中で、食べる寝るはとても大事。それを中心にした家にしたかった」。ダイニングのテーブルは結婚式場のような丸テーブルに。2人で使っても広すぎないし、お子さん達の家族や友人が遊びに来ても、丸テーブルだと座れる人数に可変性がある。
使用している家具、インテリアはどれもこだわり抜いた上質のように見える。ゴミ箱ひとつでもとてもおしゃれだ。「良いものを選んでいるところもあれば、手頃な価格のものもある。一つひとつ吟味し、テイストを揃えているからそうは見えないでしょう?」。家づくりにおいてもそうだ。リビングや和室にはお金をかけたけれども、キッチンや洗面などの住宅設備、子どもたちが泊まりに来た時のために設けた普段は使わない2階の個室にはできるだけコストを抑えた。
吐き出し窓にしがちなリビングの窓だが、夜は寝室にもなる和室からの目線を考え、あえて高さを設けた。この高さはカフェに行ってテーブルと窓の位置関係を考えて決めたという。窓にはブラインドを設置したので、窓を開けたまま寝ても外からの目線が気にならないようにしている。
「風の通り道が本当によくできているんだよ。野沢工務店が北側の隣家との距離を2mと大きめに開けてくれた。この2mが大事で、近くに山があるから、そこからさわやかな風がふいてくる。北側だからって詰めては駄目なんだよ。あと、樹脂サッシは本当に大事。温度が全然違う。窓は絶対お金をかけるべきだよ、キッチンより大事だと思う。おかげでエアコンを使う機会はそんなに多くないよ」。Nさんはまるで野沢工務店の設計士並みによく理解してくださっていて、詳しく説明してくれた。
配置に関しては、定年を迎えた夫婦2人暮らしならではの工夫が見られる。靴は多くはないから下駄箱は設けず、玄関横の物置に。キッチンはオープンタイプではなく、別々になっている。「オープンタイプにすると、配膳はぐるっと回らなければならない。年を取ると、その動作が面倒になる。だからキッチンと丸テーブルの動線が直線になるように配置したかった」。また、2階の個室は子どもたち家族が泊まりに来た時のために用意しているのだが、「女性はお風呂の後や朝の支度の際、1階にいる私たちに気がねなく泊まって欲しいと思って階段降りてすぐの場所にお手洗い、洗面、お風呂を設けた。お手洗いは1階と2階とそれぞれに設置することが多いと思うけれども、私たちの場合は年齢もあるので、夫婦二人でお手洗いがかぶっても大丈夫なように、1階に2箇所設けたんだ」。
訪問した際、奥さまの手作りのロールケーキと香りの良い紅茶や玉露のお茶を振る舞ってくれた。見れば、リビングにはコーヒーメーカーやお茶、お菓子などがまとめておいてあるお茶コーナーがある。お湯を沸かす時は使い込まれた鉄瓶を使用しており、お湯がまろやかだった。「毎日、二人でお茶の時間は必ず設けるよ。抹茶、玉露、煎茶、コーヒー、紅茶、その日によっていろいろ。お菓子を焼くのは来客がある時くらいだけど」。カフェさながらの本格的な味のティータイムを愉しませてもらった。Tさん夫妻の日常が垣間見えるようだった。
足し引きが絶妙な理想的な家。
静岡市
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